知っておきたい、非課税で贈与できる6つの方法

贈与税の非課税制度を知って、相続税対策に活用

相続税対策として、上手に活用したい贈与税の非課税制度。現在、6つの制度が利用できます。

贈与税の非課税制度

  • 暦年贈与制度(年間110万円まで)
  • 配偶者への居住用不動産の贈与の特例(2000万円まで)
  • 相続時精算課税制度(2500万円まで)
  • 住宅取得資金の贈与の特例(300万円~3000万円まで)
  • 教育資金の一括贈与の特例(1500万円まで)
  • 結婚、子育て資金の一括贈与の特例(1000万円まで)

広く知られている「暦年贈与制度」

贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。

そのため、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下であれば贈与税はかからず、申告も不要です。

この贈与制度を利用して、相続財産を非課税で年数をかけて移転していく方法は、相続税対策として広く知られています。

ただし、贈与したつもりの預貯金等が、贈与を否認されて相続財産と認定される場合があるので、注意が必要です。

配偶者への居住用不動産の贈与の特例

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、国内の居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除できるという特例があります。

この制度は「居住用」の不動産への特例となるため、贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与を受けた者が実際に住んで、その後も引き続き住み続ける見込みであることが適応の条件になります。

相続時精算課税制度

相続時精算課税贈与とは、60歳以上の親から20歳以上の子や孫への贈与なら通算で2500万円まで贈与税がかからない制度です。

ただし贈与した人が死亡したときには、遺産にこの制度で受けた贈与の金額を加えた合計額で相続税を計算しなくてはなりません。

相続時精算課税制度を選択したら、それ以降は暦年課税(暦年贈与制度)は利用できなくなります。そして暦年課税へ戻すことはできないので、慎重に検討してください。

住宅取得等資金の贈与の特例

20歳以上の年収2000万円以下の子や孫に、住宅を取得するための贈与をした場合に、300万円~3000万円が非課税となる贈与の特例があります。

非課税となる贈与の上限金額は、契約の時期、消費税の税率、住宅の種類(一般住宅か、エコ・バリアフリー住宅か)によって異なります。

贈与の金額が非課税枠の上限を超える場合は、暦年贈与制度か相続時精算課税制度を併用することができます。

この特例を利用した贈与には、相続時に相続財産には含められないというメリットがあります。

教育資金の一括贈与の特例

平成31年3月31日までの期間限定で、教育資金一括贈与の非課税制度を利用すると、30歳未満の子や孫への教育資金の贈与が、1500万円まで非課税になります。(塾や習い事など、学校以外にかかる費用については、500万円が上限。)

贈与された金額を教育資金として使いきれば税金はかかりませんが、使い残した部分については、贈与税の対象となります。教育資金以外の支出についても、贈与税が課税されます。

この制度では、現金で自由に教育資金のやりとりをすることはできません。

信託銀行などで管理契約をむすび、専用口座を開設して教育資金を一括で振込みます。教育資金が必要になればその都度、金融機関に領収書等を提出して必要資金を引き出します。

口座開設した銀行は、受贈者である子や孫が30歳に達したとき、子や孫が死亡したとき、口座の残金がなくなったときには、税務署へ調書を提出して契約を終了させます。

結婚、子育て資金の一括贈与の特例

祖父母や父母から、20歳以上50歳未満の子や孫結婚・子育て資金を贈与した場合、贈与を受ける人1人あたり、1,000万円までの贈与税が非課税となります。(結婚関係の場合は300万円まで。)

こちらも教育資金の一括贈与の特例と同様、平成31年3月31日までの期間限定の措置です。

銀行等の金融機関に専用口座を開設し、贈与する金額を一括で預け、領収書等を提出して、必要な時に引き出すことになります。

この特例を利用している場合でも、暦年贈与(贈与税の基礎控除額1人あたり110万円)は利用できます。


これらの方法を上手く活用していくことで、相続税の節税が可能です。

生前贈与で多額の節税ができますが、どの方法を使って節税すべきかの判断は非常に難しいところです。

実際の検討の際には、相続税に詳しい税理士と相談することが望ましいでしょう。


​この記事は 2016年01月21日 に公開されたのものです。

記事の正確性には細心の注意を払っておりますが、記事公開後の法改正やガイドラインの変更などの影響により、記事閲覧時における最新の情報とは異なる内容である可能性があります。

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